梅雨の季節を迎えた。今年はたくさんのバラが咲いてくれた。まだ固い緑色のつぼみに喜び、つぼみからほんのりと花色がのぞくのを発見し、心ときめく。バラの花は花開くまでに、たくさんの喜びを与えてくれる。
束ねる

自分で育てていると、花開いたバラをカットするタイミングに迷う。迷っているうちに、枯れてしまい、結局は花がらを摘むことになる。6月のある日、思いがけなく大雨が降って水分を含んだ花枝が折れ曲がり、今にも地面につきそうになっているのを見つけてしまった!
これは、いけない。救出しなくては。
という理由ができて、カットし、束ねる。青みがかったピンクの「パフュームドレス」の濃い香りと、アプリコット色の「真宙(まそら)」のトロピカルフルーツの香りがふんわりと漂う。カットし、束ねるという行為ならではの贅沢なひとときだ。


かざる
レイン、という色のピッチャーに生ける。生け方は・・・自分で「きれい」と思ったので、よしとしよう。ここは、私の束ねる力ではなく、バラの花が持つ美しさ。雨の日にはコーヒーが似合う。

イッタラのフローラピッチャー。色はレイン。レイン、好きなんです。
夢かなう
6年前までわが家の庭にはバラが一種類。束ねた花のなかの白いバラ、アイスバーグだ。その頃、手帳に目標めいたものを書きつけていた。読み返してみると、「庭にバラのある暮らし」と書いてある。バラが綺麗に咲く庭を眺めながら、コーヒーを楽しみたい、などと具体的だ。実はその頃は、「バラは大変そうだから、退職後かな」と思っていた。
その後、庭のリフォームを経て、バラが一つ、二つ、と増えていった。増えるにつれて虫害を心配しての消毒、定期的な施肥、冬場の誘引・・・などなどバラ仕事も増える。が、一度花開く過程とその美しさを見てしまうと、その魔力に取り憑かれて身体が動いてしまうのだ笑。
そして、今、気がつくと夢がかなっている。
