スパイスカレーを美味しく。

 美味しいスパイスカレーと出会ってしまった!自分で作るカレーである。正確には「スパイスカレーの素」か。いや、「美味しくカレーを作れるスパイスセット」というべきか。「印度カリー子」さんの「スパイス簡単じゃん」シリーズである。「印度カリー子」さんのカレーの美味しさを自身の痛い思い出とともに語らせてもらう。

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 2年ほど前だったか。市販の、いわゆる「カレールー」を使わないカレー。スパイスたっぷりのカレーにこだわって作っていたことがあった。

 実は、家族からの評判はイマイチだった。「個性的な味」「独特だね」…など。誉め言葉のようであるが,「また作る?」の答えは「あ、当分いいや」…わが家のメンズは何とも分かりやすい。他の料理に関しても,「味が微妙」「前の方が美味しかった」「最近、飽きてきた」などと気遣いながらも、(いや、遣っていないか)ハッキリ指摘する。

 その彼ら(夫と高校生の息子)が,「毎日食べてもいい」(これは最高の誉め言葉なのだ)と言い出したカレー。それが「印度カリー子」さんのカレーだ。

ちなみに、わが家のカレー観(興味ない方は飛ばしてください)食卓に「カレー」が上がることはめったにない。夫は市販のルーで作るカレーは好まない。油っぽい、という理由らしい。彼はある意味健康オタクで,基本「炭水化物と糖質は控える」傾向にある。息子はカレーが好きだが、前述の事情により、家で食べることはほとんどない。さらに、「スパイスカレー」に関して,息子には悲しい経験もあるようだ。高校の友だちと、美味しいと評判の本格インドカレー店に行った際,息子だけ間違って「ハバネロカレー」とやらを注文し,ひどい目にあったと言葉少なに教えてくれた。カレー店を紹介してくれた息子の友だちは、そこのカレーを絶賛していて「美味しい。毎日食べてもいい」と言っていたそうだ。それゆえ、息子も楽しみにしていたのだが、以来、カレー店の話は聞いていない。(後に私もその店に行ったが,普通に美味しいと感じた。)

 夫のカレー観,息子のインドカレー観,そして私の「スパイス遠ざかり傾向」をあっさりと覆してくれたのが「印度カリー子」さんの「スパイスかんたんじゃ~ん♪」シリーズである。

写真はまとめ買いした「キーマカレー」レシピに「ホールスパイス」「パウダースパイス」「ホットスパイス」がセットされている。

 きっかけは,「これ良かったら食べてみてね。」と息子の野球つながりの素敵なママから手渡された「スパイスかんたんじゃーん♪チキンカレー」であった。手書き感たっぷりの素朴なイラストと分かりやすいレシピが二つ折された一枚の紙に書かれ,紙の間に3種類の袋がくっついている。透明な袋だから中身もよく見える。そして,このカレーキット,手帳に挟めそうなほど薄くて軽い。文庫本より軽い。

 袋の中身は①ホールスパイス(いわば形のある、砕いていないスパイス)②パウダースパイス(パウダー状になったスパイス)③ホットスパイス(辛味)であった。…スパイスの成分を見ると…私が作った時のスパイスとほとんど変わらないではないか!

 大丈夫かなぁ…?と少し思った。いや、でも「印度カリー子」さんの活躍はどこかで耳にしたことがあった。地元のテレビ番組か。まだお若く(22歳の大学院生!しかも可愛い!)、カレー好きが高じてスパイス研究や、美味しいカレーのためのスパイスの配合をとことん極めたという話はどこかで聞き知っていた。…これは、信じてみるしかない。

 

フライパンにオイルを敷き,ホールスパイスを炒める。スパイスの芳香にうっとりする贅沢なひとときだ。

 とにかく,レシピ通りに作ってみる。ホールスパイスを強火で1分炒める。みじん切りした玉ねぎを10分炒める…など,火加減と時間が分かりやすく示してあり,指示通りの材料とスパイスの袋を入れて作業をするだけだ。20分以内で完成!

完成したチキンカレー。スパイスだけでこの色が出る喜び。そして,香り高く,親しみのある美味しさ。

ひとことで言うと、驚いた。ホールスパイスを炒めたときのスパイス独特の香り高さ。カルダモンや,シナモン,八角…どれも「これぞスパイス!これぞ専門!」みたいな香りがしてスパイス好きの私には至福の炒めタイム,調理タイムであった。使ったスパイスはいずれも純粋に本物たちだけ。隠し味的なソースなどはない。しかし!美味しいのだ。本格的なのに、専門的過ぎない,慣れ親しんだカレーの味とかけ離れすぎていない味。そして、「あぁ、本物のスパイスで作った方が,市販のルーより美味しいんだ!」と実感する味。

  

写真はキーマカレー。休日ランチプレートで。お弁当にも普通のおかずとして活躍。

 現在、週の半分はスパイスカレーを作っている。作らないと禁断症状が出そうだ。夕飯用に作り、翌日のお弁当のおかずに持参する。肉を多めにしたり、トマトの量や種類を調節することで汁を少なく仕上げれば、お弁当のおかずとして最適だ。カリー子さんのカレーが弁当に入っている時はランチタイムが殊更に楽しみだ。

豚のひき肉で作るキーマカレー。スパイスの辛味を調節し、好みの辛さで食べられるのも嬉しい。

最近では,低温調理器で2時間ほど柔らかくした鶏のもも肉を使い、大きめの肉と、ほろっと柔らかさを楽しむチキンカレーを作る、などなどアレンジも楽しくなってきた。アレンジや工夫については、また今度。